芝レースは競馬初心者向き?芝の種類を含めて全て解説!
競馬では「ダート(土)」と「芝」のコースがあります。そして、芝レースは競馬初心者向きであり、基本レースの一つです。
- なぜ芝のレースは競馬初心者向けなのか?
- 芝コースの特徴は何か?
- 芝の種類にはどんなものがあるのか?
- 芝が馬に及ぼす影響や適性は?
このような疑問を解決しながら芝レースへの知識を深めましょう。
サラブレッドはスピードを追求して生まれてきます。
そして、馬が最もスピードを出せるのが芝コースとなっています。
当然、賞金体系も、レース体系も芝のレースを中心に構築されています。天皇賞や有馬記念、ジャパンカップなど、有名で大きなレースは殆んど芝コースで行われます。
今回は、芝のレースを中心に解説していきます。
芝コースの特徴
当然ですが、芝のコースはダートコースより走りやすいので、スピードが出ます。
しかし、雨が降って芝の葉が濡れると滑りやすくなったり、ぬかるんで足が取られスピードが出しにくくなるといった特徴があります。
雨が降らなくても、開催が進んで多くの馬が走ると、芝が傷んできて、やはりスピードが出しにくくなったりもします。
特にコーナーのイン側は、距離ロスをなくすために多くの馬が狙って通ります。そのため早く芝が傷むのですが、傷んだ部分をカバーするため内側に仮柵を立てることもあります。
このような情報は、公式ホームページなどで告知してありますので、見逃さないようにしておくと、
「そのレースが道悪なのか?はたまた優良コースなのか?」
がわかります。
芝の種類
同じ様に見える芝ですが競馬場によっては違う種類になっています。
大きく分けて「野芝」と「洋芝」がありますが、
洋芝には、
- 「ケンタッキー・ブルーグラス」
- 「イタリアン・ライグラス」
- 「トールフェスク」
など、色々な種類の芝が使われています。
野芝とは
北海道以外で、広く使われている「野芝」は日本古来の芝生で、高温多湿に強い反面、寒さには弱く冬になると枯れてしまって茶色くなります。枯れているといっても地下茎は生きているので、翌年暖かくなるとまた青々としてきます。
地下茎は、網目のように広がっており、競走馬は地下茎に蹄をかけて走るのだそうです。
その地下茎も多くの馬が走ると千切れてしまうので、結果走り難くなります。
そこで、内側数メートルの場所に仮柵を立てて、傷んだ部分をカバーするといった手法があります。
- 仮柵を立てていない状態を「Aコース」
- 数メートル外側に仮柵を立てた場合「Bコース」
- 更にその外側に仮柵を立てると「Cコース」
と、いった要領でコースの広さにもよりますが、「Eコース」まで設定されている競馬場もあります。
外側に広げる分、全体の距離が伸びますので、スタート位置を変えて距離を一定に保ちます。
まだ、ジャパンカップが始まって間もない頃、冬枯れしている東京競馬場の野芝を見て、欧州のホースマン達に、「日本はオフシーズンなのか?」などと言われたのをきっかけに、編み出された方法が野芝が冬枯れしてしまう少し前の時期に、野芝の上から寒さに強い芝生の種子を撒布する「オーバーシード」です。
枯れてしまっている野芝より背が高い洋芝が青々としているので、遠目やテレビで見る馬場は、冬場でもきれいな緑色をしているように見えます。
本来の野芝の色が見たい方は、冬場に障害専用のコースを見て頂けると良いです。
(但し、中京競馬場、新潟競馬場には障害専用コースがありませんので見られません。)
野芝のコースは最もスピードの出る馬場で、大きなレースの大多数が芝コースで行われます。
洋芝とは
北海道の札幌競馬場と函館競馬場の芝コースは全て洋芝となっています。
野芝との最大の違いは地下茎が無いという点です。
麦畑を想像して頂くと良いのですが、芝の葉が稲の様に数枚ずつ独立して生えており、野芝の様に地下で繋がっていないので剥がれ易い特徴があります。
前項で、馬は蹄を地下茎に掛けながら推進すると書きましたが、洋芝には地下茎が存在しませんので、馬にとっては少し走りにくく、よりパワーが必要となってきます。
競走馬の中には、洋芝巧者が存在しており、札幌・函館の競走成績に現れてきますので確認しましょう。
最近は、競馬の本場であるヨーロッパに遠征する馬が増えていきましたが、海外競馬の芝コースは殆んどが洋芝です。
地盤も柔らかかったり、起伏の激しいコースが多くパワーが必要になっています。
日本のコースで活躍している馬が惨敗するのも、ジャパンカップで欧州の名馬が馬群沈むのも、そういったコースの違いが大きな原因の一つなのでしょう。
重馬場
芝が生えている土壌の含水量で、良馬場や重馬場、不良馬場などが発表されます。
含水量で決定される為、雨が降っていても含水量が少なければ「良馬場」だったり、晴れていても前日の雨が捌けていなくて「重馬場」などということもままあります。
芝コースの特性ですが、馬場が悪く(含水量が増える)なればなるほど走りにくくなり、スピードだけでなくパワーが必要になってきます。
「重馬場巧者」も少なからず存在していて、芝向きの馬の中にも「パワー型」がいるのです。適性を見極めるためには、新聞などの「重馬場実績」や「道悪実績」といった欄が有効になってきます。
全体の80%前後が良馬場であるため、重馬場実績が無い馬も多くいますが、その場合、血統(親兄弟の実績)であったり、蹄の形などを参考に見極めます。
芝と距離適性
人間にも短距離走が得意な選手から、ハードル競走、マラソン選手まで、さまざまな個性がありますが、競走馬にも同じことがいえます。
勿論、速力が際立って短距離に向く馬もいますが、性格的に集中力が続かないので短距離のレースに出ている馬もいます。
スピードとパワーを兼ね備えた馬は「重馬場」や「洋芝」に向いていますし。スタミナ豊富なタイプは長距離の芝レースに向きます。
また、調教師もプロなので、大体馬の距離適正に合わせてレース出してきます。適正距離に見合ったレースに馬を出すことで、馬のポテンシャルを発揮しやすいからです。
「マイラー」といって1マイル(1600メートル)専門の馬や、「スプリンター」は1200メートル前後のレースに出てきます。
注意しなければならないのは、近状のレースに距離の適正が無い場合、少々苦手なレースにも馬を出してきます。
ですので、
「馬がその芝レースの距離にあっているのか?」
という部分も見ておきましょう。
これはダートにも言えることですが、芝レースでは距離は馬にとって特に重要なことですので、馬には適正距離があり、芝レースでは特に重要であることを知っておきましょう。
ちなみに、強い馬は適正距離を無視しても、少々苦手な距離でも勝ってしまう馬もいます。ですが、やはり適正距離の合う馬の方が有利に働きますから、同じくらいの強さの馬なら、距離の合っている馬の方が有利ということです。
馬の適正距離は、
「今まで走ってきたレースの成績(例、1600メートルの成績が良い→この距離に適正のある馬)」
というように私達も簡単にわかりますから、過去の成績を参考に、馬の距離適正を見定めていきましょう。
まとめ
芝のコースは各競馬場で多種多様な設定や個性があります。
コーナーの半径が小さい、いわゆる小回りコースや、新潟競馬場では全て直線のコースがあったり、高低差の大きな競馬場もあります。
それぞれに得意な馬や、苦手な馬がいて、多種多様なレースがありますので、どんどん経験(場数)を増やして、予想を楽しむのも競馬の醍醐味です。
経験を積んでいくと、この馬にはこんなレースが向いているなと直感する事もあります。
例えば、この馬は短距離向きだと思うのにマイル戦しか使っていなかった馬が、ある日突然短距離に出てきて、自分の直感がズバリ的中なんて、気持ちの良い事が起きる日が必ず来ます。
競馬の知識を蓄え、こういった根拠ある競馬予想を1つ1つできるようになっていくと、競馬初心者はいつの間にか競馬経験者となり、予想のプロまで駆け上がることは現実にできるようになります。
本日は芝レースについて解説しましたが、こういったワンポイントも競馬は楽しみ方の1つですので、参考にして頂ければ幸いです。